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PAPAGOの台湾不動産関連コラム

不動産の所有と取引にかかる税金 番外編【地増価税の住宅用地の特例】

2022-02-07

 

 土地増価税(通称、土増税)は、投資バブルによる地価の暴騰を抑制することを目的として施行されました。そのため課税標準・税率共に高く設定がされており、投資を意図していない庶民にも税負担が大きくなると言う弊害が生じてしまいました。そのため、投資目的ではなく自宅として土地を利用している者に対しては、税率を優遇し、過度な課税が行われないような仕組みが設けられることになりました。その仕組みが今回紹介をする「一生一次」制度と「一生一屋」制度になります。以前は「一生一次」しかありませんでしたが、ライフサイクルの変化に伴い、一生に一回以上、自宅を購入する者が増えたため、2010年から「一生一屋」が新設されました。また、土増税には房地合一税と共に「買い替え特例」も認められていますので、そちらも併せて確認してください(別コラム)。

 

     「一生一次」優遇税率

 

一生に一回のみ土増税の税率を10%にし、さらに累進課税を適用しないという特例です。

自宅として利用する住宅用地に対する優遇課税制度で、不動産は非常に高額なため、一生に一回くらいしか売却することはないということを前提に作られた特例です(一回の売却=一生で2軒の自宅)。

 

 この特例を利用することで、土増税のコラムで紹介した事例で納めていた11,400,000元の税額が、わずか3,500,000元と約3分の1まで減少し、大きな節税効果を発揮します。

 

 なお、「一生一次」は使うタイミングが非常に重要だと言われます。一生に一回しか使えないのですから、使いどころを間違えると大損になります。例を挙げて説明をしましょう。

 

 例えば20代に500万元で買った土地が1,000万元に値上がりしたとしましょう。この土地の売却の「一生一次」を使った場合は、10万元の節税が出来ます。

 

・本来納めなければならない額:20万元(500×20%)

・「一生一次」を使った時の額:10万元(500×10%)

 

ところが、その後、事業に成功し、30代に改めて1,000万元の土地を購入し、その後に地価が高騰したため、10年後に4,000万元で売却したとします。この時に「一生一次」を使っておいれば、600万元の節税になりますが、20代で一度使っているためもう適用を受けることはできません。若い頃に10万元を節約したために、のちに600万元の節税の機会を逃したことになり、正に若気の至り、後悔後に立たずと言えるでしょう。

 

・納めなければならない額:900万元(1,000×20%+1,000×30%+1,000×40%)

・「一生一次」を使えていた場合の額:300万元(3,000×10%)

 

無論、人生には何があるかは分かりませんので、いつ使うのかというのは非常に難しい判断となります。しかし少なくとも安易に使うものではないというのは以上の事例からお判りいただけるのではないでしょうか。

 

なお、一生一次特例は無条件に使える訳ではなく下表のような制限があります。通常のライフスタイルであれば、さほど難しい要件とはなっていません。

 

前提

一生一次特例の適用を以前に受けたことがない

面積制限

都市区域300㎡以内、非都市区域700㎡以下

戸籍登記

本人・配偶者・直系血族の戸籍地であること

建物制限

土地上の建物が本人・配偶者・直系血族の所有であること

賃貸・営業制限

売却前の1年に賃貸・営業禁止

 

 

     「一生一屋」優遇税率

 

 平均寿命の伸びに伴い「一生一次」では足りないという声に答える形で2010年から施行された制度です。「一生一次」の適用をすでに受けた者に対する制度で、同じく10%の優遇税率+累進課税なしと言う特例が受けられます。ただし、適用条件は一生一次よりも厳しいものとなっており、条件に適合した場合のみ享受することが出来ます。なお、一生一屋は一生に一戸しか所有してはいけないという意味でなく、同時期には自宅は一戸しか所有してはいけないという意味のため、時期が被っていなければ、一生で何回でも利用できるのが、一生一次との一番大きな違いです。以下、一生一次と一生一屋の違いのまとめです。一生一屋の方が厳しい基準となっている部分を青字で表示しています。

 

 

一生一次

一生一屋

前提

一生一次特例の適用を以前に受けたことがない

一生一次特例の適用を以前に受けたことがある

適用回数

1回のみ

何度でも可

税率

10%(累進課税適用なし)

面積制限

都市区域300㎡以内、非都市区域700㎡以下

都市区域150㎡以内、非都市350㎡以下

戸籍登記

本人・配偶者・直系血族の戸籍地であること

本人・配偶者・未成年子女の戸籍地であること(6年以上続けて)

建物制限

土地上の建物が本人・配偶者・直系血族の所有であること

本人・配偶者・未成年子女が他の建物を所有していないこと

賃貸・営業制限

売却前の1年に賃貸・営業禁止

売却前の5年に賃貸・営業禁止

所有年数制限

なし

6年以上

 

 今回は、土増税の特例である「一生一次」と「一生一屋」の仕組みを説明してきました。

本特例は外国人でも以下の要件を満たせば適用を受けることが出来ます。

 

・居留証を保有しており、且つ居留証上の居住地が売却する土地と一致していること

・契約日の前1年に183日以上、台湾国内に滞在していること

 

特に一生に一回しか使えない「一生一次」制度はしっかりと理解して、使うタイミングを間違わないようにしてください。その他、不動産の権利移転や保有にかかる税金の紹介もしていますので、興味がある方は、ぜひ別コラムもご覧ください。