日本の国民健康保険(健康保険)における海外療養費の受領方法と条件
2025-04-23
●海外療養費制度とは?
海外療養費制度とは、日本国内で健康保険が適用される医療行為を海外で受けた場合、事後申請により治療費の一部を払い戻す制度です。ただし、日本国内の健康保険制度と異なり、以下の点に注意が必要です。
• 支給額は日本の診療報酬基準に基づいて決定される
• 全額補償されるわけではない
• 支給までに時間がかかる
したがって、海外旅行や長期滞在をする際は、民間の海外旅行保険と併用することが推奨されます。
●受領のための条件
海外療養費を申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
(1) 国民健康保険に加入していること
申請時点で日本の国民健康保険(または後期高齢者医療制度)に加入していることが前提条件です。なお、会社員が加入する「健康保険(協会けんぽ・組合健保)」の場合も同様の制度が適用されます。今回は国保被保険者の視点から説明をしておりますが、健保被保険者もほぼ同様のルールが適用されています。
(2) 日本国内の保険適用範囲に相当する治療であること
以下の医療行為は対象外となります。
・美容整形(例:整形手術、ホワイトニング)
・予防接種(例:インフルエンザワクチン)a
・健康診断、人間ドック
・不妊治療(国内でも保険適用外の場合)
・代替医療(鍼灸、漢方治療など)
(3) 緊急性がある治療であること
渡航目的が治療の場合(いわゆる「医療渡航」)は対象外となります。あくまでも現地で傷病にかかり、現地での治療をする緊急性があることが求められます。
(4) 申請期限は帰国後2年以内
申請は日本帰国後2年以内に行う必要があります。期限を過ぎると支給対象外になりますので注意が必要です。
●海外寮養費が支給されない可能性のある場合
・一年以上の渡航等、その市町村への居住実態がないと認められる場合
・受信時に海外の公的医療保険に加入している場合
・交通事故やケンカ等、第三者行為による賠償受け取り可能な傷病で医療機関を受診した場合
●申請手続きの流れ
(1)必要書類を準備する
1.療養費支給申請書
2.診療内容明細書、領収明細書、領収書(日本語の訳文を添付する。翻訳者の住所、氏名の記入が必要。)
3.世帯主の印鑑
4.国民健康保険の被保険者証
5.海外で治療を受けた方のパスポートまたは、海外渡航記録が確認できる書類※
6.世帯主の銀行口座の確認できるもの
7.調査に関わる同意書
8.在留カード(外国籍の方)
9.その他、診断書等の審査の参考になる書類
※パスポートの出入国印を確認する場合があるため、可能な限り出入国スタンプを取得するようにする。
※提出書類が外国語で作成されている場合は、日本語訳の提出が必要。日本語訳には翻訳者の氏名・住所・印鑑(サイン)の記載が必要。(自分で翻訳をした場合も同様)
(2)申請窓口への提出
加入している国民健康保険の窓口(市区町村役場など)へ書類を提出します。書類に不備があると支給が遅れるため、事前に確認しましょう。
(3)審査・支給決定
申請後、審査が行われ、日本国内の診療報酬基準に基づいて支給額が決定されます。通常、数ヶ月の審査期間が必要です。
(4) 指定口座への振込
審査完了後、指定の銀行口座へ支給額が振り込まれます。
●注意点とポイント
(1) 高額療養費制度は適用されない
日本国内では、医療費が一定額を超えると「高額療養費制度」によって負担が軽減されますが、海外療養費には適用されません。
(2) 申請手続きは慎重に
申請には多くの書類が必要であり、不備があると支給までの時間がさらに長くなります。特に「診療内容明細書」や「翻訳文」は慎重に準備しましょう!
(3) 民間の海外旅行保険と併用を推奨!
国民健康保険の海外療養費制度では、全額補償されず、支給までに時間がかかるため、民間の海外旅行保険との併用が望ましいです。旅行保険では、キャッシュレス診療や高額医療費のカバーも可能なため、渡航前に加入を検討しましょう!
今回は、海外療養費の申請方法と受領方法の説明でした。こんなに画期的な方法もあるのに知らない方も多くいらっしゃるかと思います。申請方法はとてもシンプルでわかりやすいかと思います。何事もないのが一番ですが、万が一に備えることも大切です。心配事を少なくして、海外生活を思いっきりエンジョイしましょう!
【本コラムの参照ページ】
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